兵庫県奥丹波で純米酒を醸造すること三百年の老舗、山名酒造株式会社の商品カタログパンフレットです。2014年度の一年間、季節ごとに年四回発行された酒蔵便りの企画制作を、イラストレーターの中島良二さんと担当しました。
「奥丹波の奥さまのイッピン」と題してお酒に合う逸品を紹介していただいたり、独断と偏見で選んだ丹波の隠れた名所を「ビバ！たん場」と称して紹介しています。
表紙では、奥丹波の豊かな自然や風土が舞台となった民話や伝説を、おいしい酒がうまれる背景としてイラストで紹介しています。

>>山名酒造株式会社
>>中島良二

高校で使用される英語の副教材です。センター試験のリスニング対策用の冊子と、付属の音声CDの盤面をデザインしています。

アーティストさくまはなさんの作品集。1997年から2013年までの作品が、久慈達也さんの編集により掲載されています。
日本人には言い分けることの難しいLとRの発音のような、些細ではあるが超えがたい「境界」という言葉にインスピレーションを得て、表紙は砂目模様の凹凸がある用紙に細いラインの金箔を押しました。紙地の影響を受けて揺らぐように光る箔が、作品の持つ世界観にふさわしいと考えました。

w.182 × h.240 mm／48ページ／PUR並製本／日本語・英語
表紙：サーブル　スノーホワイト　190kg + 金箔押し、見返し：キャピタルラップ、本文：テイクGA　110kg
　

大学数の増加や学部の多様化の一方、少子化により学生数は減少。混迷する大学が学生に選ばれるために必要なものは何か。偏差値に代わる指標が見いだせない大学全入時代に、大規模な進学調査に基づき、社会心理学の見地から新しい大学選びのあり方を提唱するための報告書です。本文中のグラフ等も含めた、すべてのデザインを担当しました。

>>高校生から見た大学の「価値」と大学選びのメカニズム

神戸芸術工科大学プロダクトデザイン学科のパンフレットです。高校生に向けて、学科の紹介をすることが主な目的となっており、オープンキャンパスや進学相談会などで配られているものです。
大学側からの要望として、プロダクトデザイン学科のビジョンと理想を明確に伝えると同時に、数多くのさまざまな他大学のパンフレットの中にあっても高校生の興味をひき、手にしてもらうためのインパクトと親しみやすさが優先的に求められました。結果、プロダクトデザイン学科の紹介をするパンフレット自体が「プロダクト」として機能することが、これら両方の要望を解決するための方法になると考え、パンフレット自体の造本と印刷にこだわることで、内容を分かりやすく伝えようと試みています。
表紙の外側に巻かれた大きさの違う一枚の紙は、パンフレット本紙とは違う質感のものを使用することでモノの存在感を強調しながら、書籍でいうところの「見返し」のように、本文に至るまでの期待感を持たせる効果を意識しています。また表紙をはじめ、各所にニスによる「目で見る質感」を配したことや、大きさの違う本文ページを挟み込むことで、無意識的にマテリアル（素材）を体感することができ、それらのモノ感が「情報の整理」に直結するように編集することで、「プロダクト」を意識する高校生がパンフレットの内容を把握する一助となるように設計しています。