[diary] 夏休み


夏休みに海へ。シュノーケルを付けて海草の間を泳ぐ魚を眺めながら、ぷかぷかと。深いところでは、水に浮かんでいるのにとても高いところにやってきたような不思議な感覚を味わって、年甲斐もなく夢中になっていたら波に酔う。
普段見る瀬戸内海では、太陽は海に向かって左側からのぼり右側に沈み、雲は右からやって来て左に流れていくのが、日本海では逆になる。台風が来たこともあり、沖に降る雨の凄まじさを、まだ雨の降っていない浜から眺めたり。
自分を取り巻く、文字通り「環境」の大きな変化をただ受け止めて、よく遊び、よく食べ、よく飲み、よく寝た、夏休み。
08/17, 2010 - diary
posted by Satoshi Kondo
[diary] de sign de > の熱
大阪の中之島BANKSに2011年春にオープンする、デザインミュージアム『de sign de > ( デザインで)』のプレオープンイベントに行ってきた。告知の案内がされていた三木健さんのColumnでは、『de sign de >』という名称や、シンボルマークに込められた想いが説明されていて、そのシンボルマークの動的なあり方が新しい場所のこれからを予感させていて、ここ最近、日頃の仕事に追われる中でつい後回しにしてしまっている大事なことを再確認できる気がしたのだ。
昼間の酷暑も少し和らいだ夕刻、通り抜ける風も気持ちいい水辺の現場にはたくさんの人が来ていて、やっぱりみんな、新しい出来事に期待をしている風にも見える。順番にイベントが行われて、お目当てにしていたコミッティメンバーによる記念トークイベントもそつなく終わり、レセプションパーティー。お酒もいただいて、建物の中も観覧して、幾人かの方とご挨拶もしたりして。そろそろ帰ろうかと思っていたところ、先ほどのトークイベントの会場でまた何やら話が始まっている。
少しお酒も入っているからかもしれないし、それだけではないような気もするし。トークイベントのメンバーのうちから三木さんと服部滋樹さんが、ご自身達で先のイベントの批評を始めているのだ。先とは違って今度はお客さんで来ていた方達からもするどいツッコミが入っている。どういう経緯で始まったのかは分からないのだけれど、新しいデザインミュージアムの船出として、刺激的な出来事がなかったことに不満を持った人たちが、ではどうあるべきなのかをその場で検証し始めている様子。ごく少数で始まったこの予想外の出来事が熱を帯び、徐々にまた人が増え始め、そうして最後にはまたコミッティメンバーが勢揃いして議論は転々と。
個人的には、テーマが決まっているわけでもナビゲーターがいるわけでもない、プログラムに用意されていなかったこの「事件」が、結果として、新しいデザインミュージアムのスタートにふさわしいように感じられた。デザインの新しい「場」に対して、様々な人がいろんな立場から言いたいことを言う。柳原照弘さんがおっしゃった「人のつながりがコレクション」という主旨の言葉にふさわしい始まり。確たることはまだ決まっていないにしても、向いている方向は確実に共有されていて、そちらへ向かおうとする「本気」の熱に冒される。私はギャラリーとミュージアムの差も、実はよく知らなかったけれど、こんなデザインの「場」に参加したかったんだな、ということを痛快な刺激の中で実感することができたし、それはつまり、つい後回しにしがちな大事なことがここにくれば再確認できる、ということにも繋がった。
月並みな言葉で、他に何と言えばいいのかが分からないのでそのまま書いてしまうけれど、「サロン」は、いつでも自然発生的に生まれるもので、みんなそれを生み出すために土を耕し、穴を掘り、種を埋めているのだとしたら、この場所に関わっている方のご尽力でそれがなされ、この日、確かに芽生えていたように思う。最後までいられなかったことと、私が知っているグラフィックデザイナーの参加が少なかったことがちょっと残念。
08/08, 2010 - diary
posted by Satoshi Kondo
[news] 掲載/『かわいい印刷』

『かわいい印刷』(手紙社/ピエ・ブックス)に、弊社で制作したflorestaのショップカードが掲載されました。
06/21, 2010 - news
[news] 『I LOVE KIORI』展


1本1本はたおり機で織られたという自由な手織りの生地の展覧会が、尼崎市・武庫之荘の雑貨屋GLADBERRYで行われます。写真を見られて少しでも興味がある方には、ぜひ実物をご覧いただきたいと思います。百聞は一見に如かず、ハンドメイドのかっこよさに圧倒されます。期間中には生地の計り売りもされているそう。
明後日デザイン制作所ではお店の方と一緒に、DMをつくらせていただきました。
I LOVE KIORI - handmade woven exhibition
6/15 Tue. -7/4 Sun. 2010
GLADBERRY
661-0033 兵庫県尼崎市南武庫之荘1-5-15
Tel. 06-4962-6056
定休日 月曜日
営業時間 AM 12:00〜PM 8:30
05/26, 2010 - news
[diary] 常識のカタチ
自分が住んでいるマンションの理事会にて。理事会といっても階下のおじさんと2人。お年寄りが増えてきている住人の中ではそのおじさんも若手で、私にいたってはひよこみたいなもんだ。特にこれといった議題があるわけではなく、3Fに新しい人が入ってくるみたいだね、小さいお子さんもいるみたいだよ、とか、世間話なんかを交えながら、理事長であるおじさんの報告を聞く。もしかすると来年、自分がその役をしないといけないかもしれないのでまじめに聞いておく。
そうして一通り、義務的な話が終わった後の雑談中に、常識っておもしろいよね、という話になった。住人にはいろんな人がいて、当たり前のことながら、それぞれがそれぞれにいろんなことを考えながら暮らしている。その中に、みんなで使用している駐車場に防犯灯を付けた人がいるそうだ。屋外にあって、関係者以外の人でも簡単に出入りができるので、何回か車上荒らしもあった場所だ。防犯灯は、それを付けた人がよかれと思ってしたことだし、費用や手間も負担しているらしい。もしかすると駐車場を利用する人はみんな感謝していたかもしれない。ただ、理事長の立場としては、無断で公共の場所に個人的なものを付けることに対して、注意せざるをえないのだと言う。確かに「ここに花があるときれいだと思って」とか言って、廊下の壁に造花なんかを飾られると非常に困る。ルールとしては総会で承認をえないといけないのだ。「常識的には悪いことだとは思わないので、他から苦情が出るまでは黙認するんだけどね」と困った顔で、理事長の立場の面倒臭さを教えてくれる。
小説だったか、何かの本で読んだんだけれど、と前置きをしてから理事長のおじさんが言うには、「それは法律のことだったけれど、法律は点と点をゴムひもで結んで枠を作っているようなものなんだって。そのゴムひもの引っ張り方で枠のカタチはいかようにでもなる。ただ、点に近いところだとあんまりカタチは変わらない。これと同じで、一応ルールとして点はうつけど、常識のカタチがあるわけじゃないしね」。さらに「常識って実際に、そんなはっきりしたものがあるわけじゃないのに」と、おじさんは2chで読んだ(!)という話もしてくれる。「UFOを信じて研究している人が、基地があると噂される田舎に出かけて行って探すんだけれど見つからない。途方に暮れているところで出会った農夫に、ここらへんで怪しい光を見たことがないか、と尋ねると、そんなのしょっちゅうだ、という答え。研究者がよろこんで、どの辺りなのかとさらに聞くと、農夫はそんなもんを探してどうするのか、と逆に質問。研究者が、実はUFOの基地を探しているんだと話すと、農夫が大笑いして、UFOなんかいるもんか、あれはキツネの仕業に決まっとるがな、だって」。
結局、マンションの理事会らしい話は早々に終わって『常識』の話ばかり。月に1度の理事会は、ほんと言うとじゃまくさいのだけれど、こういう話ができるのなら悪くない。住人それぞれの常識に、これからもゴムひものようなものでカタチを付けていく。
05/19, 2010 - diary
posted by Satoshi Kondo
